NPO法人 本と人とをつなぐ「そらまめの会」 南方新社 2011-04-01
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武雄市図書館で『図書館が街を創る。 「武雄市図書館」という挑戦』と同じ棚にありm以前から指宿図書館には興味があったのと、1月に哲学カフェを同所で開催することになったので(詳しくはhttps://www.cafephilokagoshima.net/?p=2096をご覧あれ)、借りずにはいられませんでした。本書はNPO法人「そらまめの会」が、公募によって指宿図書館・山川図書館を運営することとなり、指定管理者制度の壁にぶつかりながらも様々な工夫を凝らし、乗り越えてきた挑戦の記録である。
なかなか触れる機会はない町の図書館の司書さんのお仕事を覗くことができます。赤ちゃん連れをサポートするための「わらべうたのへや」や利用の少ない中学生を呼びこむ工夫といった館内での取り組みに幼稚園から大学、さらには高齢者施設での「おはなし隊」に移動図書館など館外での取り組み。図書館の重要な機能のひとつであるレファレンスで人と人をつないだエピソードにはとても惹きつけられました。
各項は実際に働く司書さんたちが交代で担当していてそれぞれのキャラクターにも惹きつけられます。「夜のお話し会」や「宮沢賢治アニマシオン」には参加したいと思い、「男性スタッフがほしい」というコメントには心が動かされました(笑)巻末には「おはなし会実践」や「調べ学習支援」のマニュアルが掲載されていて誰でも実践できるようになっています。また司書さんによるジャンル別のおすすめ絵本リストも掲載されていて、図書館の選書に触れることもできます。
この本を読んで感じたことは(武雄図書館を絶賛しておいてなんですが)、都会的なものを取り入れなくともアイデアや工夫、地域との繋がりによって魅力ある図書館を創ることはできるということ。施設・設備が充実することはもちろん重要ですが、それが叶わなくてもできることはあるということ。哲学カフェで訪れるのがますます楽しみになりました。
2011年5月1日 第1刷発行
出版社:南方新社
149ページ
ISBN-10:4861242134
ISBN-13:978-4861242137
装丁:オーガニックデザイン
指宿・山川図書館 ホームページ
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