演劇

14+ 宮崎・広島ツアー2015 「ゾンビの瘡蓋(かさぶた)」 @三股町立文化会館 観てきました

投稿日:2015年9月6日 更新日:

最近ブログさぼりまくってましたが、読んでくださっている方がいらっしゃるという事実にテンションが上っておりますので書きますよ。

 

 

※ネタバレ注意

広島公演を見る予定の方やネタバレに不寛容な方はご注意ください。

まずいろいろと勘違いしていたので、その訂正から

勘違い その1 宮崎公演は5日14時からのみだと思っていた。

「ゾンビの瘡蓋」公演のことを知ったのは今年の2月に北九州芸術劇場で不思議少年の「水と油」を見た後のこと。出演者が5人とも別の劇団だったため、それぞれの公演をチェックしていたところCoRichのチケットプレゼントを発見。その時点では時期が早すぎたので8月に入ってから応募。その時点ではちゃんと公演日時分かってたはずなのよね、たぶん。

ところが妻子が里帰りから5日に帰ってくることと、5日に福岡出張から帰ってくると決まったときには「あぁ、5日の14時公演に行こうと思ってたのにいけない。。。」と既に勘違いしていた。すると9/1に当選メールが届いちゃったので(5日19時っておもいっきり書いてあるな。6日は対象外だったんか。)

14+当選

SNS上で誰か代わりに行ってくれる人を探すも見つからず。結果、4日に出張先の福岡の焼き鳥屋から泣く泣くメール。

お世話になります。この度はご連絡ありがとうございました。ご返信が遅くなり誠に申し訳ございません。
当方、鹿児島のため明日の宮崎公演に伺う予定でしたが、急遽仕事が入ってしまい行けなくなってしまいました。誠に申し訳ないのですが今回は他の方にお譲りください。本当に申し訳ございません。
でね。ここからですよ。その後ね、焼鳥→屋台→屋台→居酒屋と8時間コースだったんですけどね、最後の店で飲んでた時にね、隣からね「(私のチケットプレゼントの記事を見ながら)宮崎公演が5日と6日」って聞こえてきたの。それをね昨日うちに帰ってきてから「あれ?5日と6日」って思ってね。ググったらね、5日の19時からと6日の14時からだったの。その時点で5日の19時だったんだけどさ「どっちでもいけたやーん!」ってなって。たぶんどこかの時点で日曜は家族サービスだからあかんと思ったんだろうけどさ。もうどうしても行きたいってなってるから妻に許可もらってCoRichで予約したの。
え?なに?長い?以上!

勘違い その2 「ゾンビの瘡蓋」と「憑依」は別物

でね。行けるってなったらテンション上がるやん。いろいろ調べるやん。そしたらさホームページの公演記事にさ

川津羊太郎[第4回九州戯曲賞大賞受賞、第2回せんだい短編戯曲賞大賞受賞]の書下ろし戯曲を、
中嶋さと[FFAC創作コンペティション最優秀作品賞受賞]が演出。

って書いてあってさ。もう「第4回九州戯曲賞大賞受賞」と「FFAC創作コンペティション最優秀作品賞受賞」しか見えてないわけ。そこからさ九州戯曲賞のサイト見たりしてさ

もう思いっきり勘違いしちゃってるわけ。で、「憑依」が九州戯曲賞受賞した時の選評を流し読みして観劇したわけなんですけど「あれ?姉弟が出てくるお母さんが死んだ話じゃなかったっけ?」とか「言うほど岡田利規っぽくなくね?」とか思ってたんだけど、そりゃそうよね。「憑依」じゃないんだもん。 で、いつ気づいたと思う?この記事書く直前。  

ここから感想

お待たせしました。おそらく大半の人が既に離脱していることでしょう。会場の三股町立文化会館は私の住んでる鹿児島県姶良市から高速使って1時間ちょっと。末吉IC下りてからがちょいと遠い。三股町立文化会館に来るのはおそらく三股町立文化会館プロデュース公演 「ヨムドラ!~読むドラマ~」を見て以来4年ぶり。「ノヴァの刺身」目当てで行ったんだとしみじみ。 IMG_8758 三股町は演劇にとても力を入れてらして自主文化事業として他県から劇団読んだり、子供向けの演劇ワークショップや、演る方だけじゃなくって戯曲ワークショップなんかにも取り組まれています(たしか第三回九州戯曲賞大賞受賞の演劇集団非常口島田さんもこのワークショップ参加者じゃなかったかしら。私の記憶当てにならんけども)。 今回もおそらく町の文化事業として小学生がチケット売り場や"もぎり"にスタッフとして参加してたり、お客さんとして観劇してたりして感激……いや、感心させられました。 20人弱が集団で会場に入ってきた時は憑依の選評を読んでいたこともあり「いや、これ絶対子供向けちゃう。大丈夫か。」と心配しましたが、芝居が始まると「(ノリノリのフォークソングを歌いながら)ひき殺せ~♪」だの「あと3人とやってからじゃないと死ねない」だの私の予想大当たり。でもそこが演劇のいいところですよね。小さな頃から色んな物に触れて人間の幅を広げればいいとです! でね、チケット売り場に子ども。もぎりに子ども。ときたもんだからグッズ売り場見た時にゾンビのかっこした子どもがおる!って思ったわけ。バッジ欲しかったんだけどさ、チケット売り場からずっと目を合わせずにすたすた会場まで一直線だったんですよ。でも、やっぱりグッズ売り場見に行ってみようと思って行ったらゾンビ小学生のひとりが「これ私がデザインしたんですよ」って言うの。

「あ、小学生ちゃう。この子↑だ。」と思いましたよね。勘違いしすぎですよね。

IMG_8764

サービス精神旺盛ですよね。怖すぎ。右の子の痙攣具合と左の子の足首の曲がり具合が怖すぎ。

IMG_8771

でな、バッジ3つセット買ったんですわ。勢いで。

そしたら売り切れたらしいんですわ。欲しい人おったら私に言ってください。見せてあげます!

こんどこそ感想

で、いよいよ本番ですよ。始まる前にさっきグッズ売り場にいたゾンビがひとりずつにこやかにペコペコしながら入場してきて舞台に上がり急に痙攣しながらぶっ倒れるんですよ。もうね、その急変ぶりたるやですよ。その瞬間の小学生とじじばばの顔を見たかった。

そんなことはさておき「ゾンビの瘡蓋」はある日突然、人々がゾンビ化してしまった世界で弟がゾンビ化してしまった兄弟と一組の夫婦、牧師と呼ばれる男の5人(1人はゾンビ)が青森の恐山を目指してワゴン車でフォークソングを歌いながら爆走する話。

「ゾンビ被災」という言葉が使われており、ぱっと思い浮かんだのは東日本大震災だ(2012年に受賞した「憑依」だと思ってるから、なおさらね)。そこから話が進んでいくに連れて「ゾンビに噛まれるだけでは感染しない。絶望がゾンビを生む。」という台詞や、ユウジの「こいつらはもう人間じゃない。」という台詞や弱ったゾンビを徹底的に殺そうとする態度、轢き殺すことに全く何も感じない姿にゾンビ化は災害ではなく貧困、孤独、病気、、国籍などを表しているように感じた。人間は自然にそういったものに対しユウジの様に(無意識的に)差別をし、差別された側は絶望し自ら死を選んでしまう者すらいる。

途中、「ゾンビとして生きるよりも死んだほうがまし」と思わせるようなシーンもあるが(タカヒロが母親のことを聞かれて「ちゃんと死んでた」と答えるシーンや、ユウジが妻の"死かゾンビ化か"の選択を迫られ首を絞めて殺そうとするシーン)、最終的にはゾンビと共存する道を模索することを選ぶ。個人的にはこのゾンビ化した者を治そうとするのではなく、共存しようとする点が好きだ。

 

脚本自体がはちゃめちゃなのは選評を読んで分かっていたが(しつこいようだが「憑依」の選評だが)、脚本に負けず不思議な演出だった。

まずは位置関係。冒頭、ワゴンのタイヤがバーストしタカヒロとユウジが交換するシーンでの違和感。同じタイヤを修理しているのだが話しかける方向が反対で「あれ?」と思わせられる。その後も位置関係のずれは繰り返され(横位置だけではなく様々な方向において)、違和感は最後まで続く。

もうひとつ不思議な点が、その場にいないはずの人間からモノを(堂々と)受け取ったり、牧師がゾンビに(やはり堂々と)動く合図を出したりするところ。普通は(普通とはなにか問われると答えられないが)、それを使う役の元に自然にあるモノがあからさまに不自然に渡される。

夢と現実との境目が分からなくなる作品はよくあり、本作もどこからが妄想・夢でどこからが現実かとんでもなく分からないが(分かりようもないし、分かる必要もない)、上記のような演出でその非現実感に磨きがかかっているように感じた。

 

牧師と呼ばれている男の役名がパンフレット上で「幽霊」となっているのが何だか不気味ね。時系列がごちゃごちゃしすぎて思い出せないがどの時点から「幽霊」だったのか。ゾンビよりも幽霊の方がよっぽど怖……いや、どっちもどっちか。

もう一つ。タイトルの「ゾンビの瘡蓋(かさぶた)」も不思議よね。ゾンビには瘡蓋できないよね。作中では生の象徴として瘡蓋が存在している気がしたんだけど、上に書いたような苦難(傷)に遭遇し、絶望してゾンビになったとしても傷は治らなくとも生きていきまっしょい。ってことかしらね。

これ書き始めてから3時間経つから頭回らなくなってきたよ(笑)

あとは9月に広島公演あるので是非行ける方は観に行ってください!

それではごきげんよう

 

福岡拠点の劇団 14+ <フォーティーンプラス>のホームページ
http://www.fourteen-plus.com/

広島公演は 2015年9月30(水)~10月 1(木) @JMSアステールプラザ
ご予約はこちらから↓
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=51750

第四回九州戯曲賞審査員選評
http://www.krtc.info/wp-content/uploads/2012/08/senpyo41.pdf

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