01保育原理 平成26年保育士試験

保育原理 問7~10 平成26年保育士試験(再試験)

問7 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
4歳児クラスの事例である。園庭で大縄を回しているところをくぐり抜ける遊びをしている。くぐり抜ける流れがスムーズに続いていたが、Sちゃんのところで途切れる。Sちゃんがタイミングをつかめず躊躇していると、T君が駆け寄ってSちゃんの手を引いて一緒に大縄をくぐりぬけることができ、みんなで喜んだ。一巡して次にSちゃんの番が来たとき、また、流れが止まり、Sちゃんは縄に入るタイミングをとっている。すると、T君がまた出てきてSちゃんの手を引こうとするが、Sちゃんはその手を振り払う。すると、君はその場にうずくまり半泣きになる。

【設問】
次のうち、「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の(6)「おおむね4歳」(7)「おおむね5歳」の姿、第3章「保育の内容」の2「保育の実施上の配慮事項」に基づいた保育士の対応として、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「T君、Sちゃんがやりたいって言ってるんだから、やらせてあげて」
B 「Sちゃんは自分でやりたいんだって。T君はSちゃんの前に走って見本を見せてくれないかな」
C 「T君、そんなところにうずくまっていたら、みんな遊べないよ」
D 「Sちゃんは何か言いたいんじゃないかな。T君、聞いてみる?」
E 「Sちゃん、せっかくT君が手伝ってあげるって言ってるんだから、一緒に飛んでもらおうよ」

(組み合わせ)
A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ ○ ×
3 ○ × ○ × ○
4 × ○ × ○ ×
5 × × ○ × ○

【正解】

【解説】
こういう問題って説明しづらい。というか説明できる知識を持っていない。
A 「やらせてあげて」という指示(お願い)が問題。子どもが自分からやらせたくなるような促しをするべし。
C 「みんな遊べないよ」という注意よりもうずくまっている気持ちを聞いてあげて。
E せっかくw 勝手にSちゃんの気持ちを代弁しない。

ってかこの問題文「半泣き」って。半泣きって標準語なのか?

【参考】

(6)おおむね4歳
全身のバランスを取る能力が発達し、体の動きが巧みになる。自然など身近な環境に積極的に関わり、様々な物の特性を知り、それらとの関わり方や遊び方を体得していく。想像力が豊かになり、目的を持って行動し、つくったり、かいたり、試したりするようになるが、自分の行動やその結果を予測して不安になるなどの葛藤も経験する。仲間とのつながりが強くなる中で、けんかも増えてくる。その一方で、決まりの大切さに気付き、守ろうとするようになる。感情が豊かになり、身近な人の気持ちを察し、少しずつ自分の気持ちを抑えられたり、我慢ができるようになってくる。

(7)おおむね5歳
基本的な生活習慣が身に付き、運動機能はますます伸び、喜んで運動遊びをしたり、仲間とともに活発に遊ぶ。言葉により共通のイメージを持って遊んだり、目的に向かって集団で行動することが増える。さらに、遊びを発展させ、楽しむために、自分たちで決まりを作ったりする。また、自分なりに考えて判断したり、批判する力が生まれ、けんかを自分たちで解決しようとするなど、お互いに相手を許したり、異なる思いや考えを認めたりといった社会生活に必要な基本的な力を身に付けていく。他人の役に立つことを嬉しく感じたりして、仲間の中の一人としての自覚が生まれる。

2 保育の実施上の配慮事項

保育士等は、一人ひとりの子どもの発達過程やその連続性を踏まえ、ねらいや内容を柔軟に取り扱うとと もに、特に、次の事項に配慮して保育しなければならない。

(1)保育に関わる全般的な配慮事項
ア 子どもの心身の発達及び活動の実態などの個人差を踏まえるとともに、一人ひとりの子どもの気持ちを 受け止め、援助すること。
イ 子どもの健康は、生理的、身体的な育ちとともに、自主性や社会性、豊かな感性の育ちとがあいまって もたらされることに留意すること。
ウ 子どもが自ら周囲に働きかけ、試行錯誤しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助するこ と。
エ 子どもの入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育 所の生活になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないよう配慮す ること。
オ 子どもの国籍や文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるよう配慮すること。 カ 子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないよう配慮 すること。

(2)乳児保育に関わる配慮事項
ア 乳児は疾病への抵抗力が弱く、心身の機能の未熟さに伴う疾病の発生が多いことから、一人ひとりの発 育及び発達状態や健康状態についての適切な判断に基づく保健的な対応を行うこと。
イ 一人ひとりの子どもの生育歴の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が応答的に関わ るように努めること。
ウ 乳児保育に関わる職員間の連携や嘱託医との連携を図り、第5章(健康及び安全)に示された事項を踏 まえ、適切に対応すること。栄養士及び看護師等が配置されている場合は、その専門性を生かした対応を図 ること。
エ 保護者との信頼関係を築きながら保育を進めるとともに、保護者からの相談に応じ、保護者への支援に 努めていくこと。
オ 担当の保育士が替わる場合には、子どものそれまでの経験や発達過程に留意し、職員間で協力して対応 すること。

(3)3歳未満児の保育に関わる配慮事項
ア 特に感染症にかかりやすい時期であるので、体の状態、機嫌、食欲などの日常の状態の観察を十分に行 うとともに、適切な判断に基づく保健的な対応を心がけること。
イ 食事、排泄、睡眠、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなど、生活に必要な基本的な習慣について は、一人ひとりの状態に応じ、落ち着いた雰囲気の中で行うようにし、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重すること。
ウ 探索活動が十分できるように、事故防止に努めながら活動しやすい環境を整え、全身を使う遊びなど 様々な遊びを取り入れること。
エ 子どもの自我の育ちを見守り、その気持ちを受け止めるとともに、保育士等が仲立ちとなって、友達の 気持ちや友達との関わり方を丁寧に伝えていくこと。
オ 情緒の安定を図りながら、子どもの自発的な活動を促していくこと。
カ 担当の保育士が替わる場合には、子どものそれまでの経験や発達過程に留意し、職員間で協力して対応 すること。

(4)3歳以上児の保育に関わる配慮事項
ア 生活に必要な基本的な習慣や態度を身に付けることの大切さを理解し、適切な行動を選択できるよう配 慮すること。
イ 子どもの情緒が安定し、自己を十分に発揮して活動することを通して、やり遂げる喜びや自信を持つこ とができるように配慮すること。
ウ 様々な遊びの中で、全身を動かして意欲的に活動することにより、体の諸機能の発達が促されることに 留意し、子どもの興味や関心が戸外にも向くようにすること。
エ けんかなど葛藤を経験しながら次第に相手の気持ちを理解し、相互に必要な存在であることを実感でき るよう配慮すること。
オ 生活や遊びを通して、決まりがあることの大切さに気付き、自ら判断して行動できるよう配慮するこ と。
カ 自然との触れ合いにより、子どもの豊かな感性や認識力、思考力及び表現力が培われることを踏まえ、 自然との関わりを深めることができるよう工夫すること。
キ 自分の気持ちや経験を自分なりの言葉で表現することの大切さに留意し、子どもの話しかけに応じるよ う心がけること。また、子どもが仲間と伝え合ったり、話し合うことの楽しさが味わえるようにすること。
ク 感じたことや思ったこと、想像したことなどを、様々な方法で創意工夫を凝らして自由に表現できるよ う、保育に必要な素材や用具を始め、様々な環境の設定に留意すること。
ケ 保育所の保育が、小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに留意し、幼児期にふさわしい 生活を通して、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うようにすること。

 

問8~問 10 次の保育所での【事例】を読んで、問8~問 10 に答えなさい。

【事例】
以下は、8月のある3歳児クラスの指導計画の一部である。
<子どもたちの姿>
・ 身体を使った遊びを楽しんでいる。
・ 手洗い場では服までぬらして遊んでいる子どもがいる。
・ 友達の遊びに関心を持ち、よく見ていて、模倣をする。
・ 自分の思いを通そうとして、トラブルがみられる。
・ 身の回りのことを自分でしようとする子どもが増えているが、できなくて「やって」と伝えに来る子どももいる。

<ねらい>
・ 一人一人のイメージを持って、夏の遊びを十分に楽しむ。
・ 自分のやりたいことを楽しみ、行動することの充実感を味わう。
・ 自分の思ったことを言葉で表現したり、友達の気持ちを理解しようとする。
・ 汚れた衣服の着替えなど、自分でできることは自分でしようとする。

<内容>
・ 安心できる環境で、聞く、見る、触れる、嗅ぐ、味わうなどの感覚の働きを豊かにする。
・ 好きな玩具や遊具に興味を持って関わり、様々な遊びを楽しむ。
・ いろいろな遊びの中で十分に体を動かす。
・ 戸外での遊びに親しみ、楽しんで取り組む。
・ 保育者や友達に関心を持ち、模倣して遊んだり、親しみを持って自ら関わろうとする。

問8 ある日の午前中、3歳児の4人が、砂場で山を作り、バケツで水を汲んできて、遊んでいる。指導計画を踏まえ、この場面における保育士の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A クラス全員を砂場に呼び集め、ダイナミックな砂場遊びを展開する。
B 「素敵ね。何を作っているの?」と、子ども達のイメージを聞く。
C 保育士も一緒に水を運んだり、大きなシャベルを使って子どもたちと一緒に砂山を高くする。
D 関心を示して寄ってきた他の子どもたちに、「川づくりを手伝ってくれる?」と、誘いかける。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○

【正解】3

【解説】
A <ねらい>の「自分のやりたいことを楽しみ」、<内容>の「好きな玩具や遊具に」に反する。
B <ねらい>の「一人一人のイメージを持って」に対応。
C <内容>の「保育者や友達に関心を持ち、模倣して遊んだり」に対応。
D 同C

問9 指導計画を踏まえて、問8の場面で一人一人の子どもへの保育士の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 水をこぼしながら運んできたHちゃんに、服が濡れていることを注意し、着替えるように言う。
B 砂遊びには加わらずにじっと見ているGちゃんに、「汚れるのが嫌なの?お部屋で絵本を読んでいたら」と話す。
C 友達の模倣をしているYちゃんに、自分で考えて遊ぶようにと促す。
D 絵本で見たものを作ろうとしてうまくいかずに、焦れているKちゃんに、「どういうのを作りたいの?」と言葉をかけて、作りたいもののイメージを共有し励ます。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○

【正解】5

【解説】
A こんな時くらいおもいっきり汚せばいいじゃない。後で着替えりゃいいじゃない。
B 「戸外での遊び」いうとるやん。外で遊びたくなるように促さんかい。
C <内容>に「保育者や友達に関心を持ち、模倣して遊んだり」って書いてますやん。

問 10 Mちゃんがカップでプリンを作っていると、J君もそれに興味を示して寄ってきた。J君はMちゃんの使っていたシャベルとカップを、黙ってとり、自分も同じように作ろうとする。それに気づいたMちゃんが「ダメ」と、シャベルとカップをとり返した。J君は泣きながら、それをとろうとする。
 この場面における指導計画に沿った保育士の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A J君に、「Mちゃんが使っていたものを、とってはいけない。砂場から出ていきなさい」と注意する。
B Mちゃんに、「シャベルをひとり占めしてはいけません」と注意する。
C 「Mちゃんの作ったプリンが、おいしそうだったから、J君も作ってみたかったのね」とJ君の気持ちをMちゃんに伝える。
D J君に、「シャベルが使いたかったのね。Mちゃんに、『カシテ』って、言ってみたら?」と話す。

(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×

【正解】4

【解説】
A <ねらい>の「 自分の思ったことを言葉で表現したり、友達の気持ちを理解しようとする。」を達成する機会です。注意するのではなく、「Mちゃんが使っていたものを取った気持ち」を聞いてあげたり、「Mちゃんがどういう気持ちになると思うか」を聞いてあげましょう。
B Mちゃんが自ら貸してあげられるような声掛け、対応をしましょう。

 

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