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【感想】鹿児島演劇協議会プロデュース第3回九州戯曲賞受賞記念リーディング公演 『四畳半の翅音』

投稿日:2011年12月17日 更新日:

遅くなりましたが、12月10日に開催された 『四畳半の翅音』の感想です。といっても、自分は忘年コンペのため行けなかったので、こんな感じで行きたい方募り、感想を聞かせていただきました。たくさんの応募をいただき当初4名の予定でしたが7名の方を劇場へ送り出すことができました。おかげさまで観には行けなかったものの、観に行かれた方を通じて当日の雰囲気を感じることができました。演劇集団非常口の再来年の本公演で上演されるかもとのこと、首を長くして待ちたいと思います。観に行ってくださった皆様、チケットの件でお世話になりましたロイジ様ありがとうございました。以下にいただいた感想を載せておきます。

※ネタバレ注意

以下にはネタバレ要素を含んでおります。本公演まで内容を知りたくない方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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【鳥越 隆志さん(40代男性、公務員)】

ため息・アゲハチョウ・古いアパート・四畳半(四畳半の世界)・波風立てない生き方・正しいことを声高に叫ぶことの罪・原発・対岸の火事・偽善・利権・吐き気がするほどの懐かしさ・カステラ・故郷喪失者・黄色い花・風・煙突・紫の煙・押入れ・鏡台・へその緒・ハンセン病・隔離・・・(順不同)

作品の中につぎつぎと現れては消える言葉が、ザクザクと胸に刺ささり、言葉の力というものを改めて実感しました。また、言葉によって、イメージ(想像力)が?き立てられたのは久しぶりだったので、約90分という時間が非常に短く感じられました。

作者の年齢の割には時代設定が古いのに、情景描写が巧みでディティールを上手く組み立てて作品を作り込んでいるなと感じました。昭和30年~40年代生まれならイメージを膨らませやすかったと思いますが、逆に高校生などの若い世代には、作者の意図するイメージを細部まで頭の中で描写(映像化)するのは難しいだろうと思いました。

また、途中、日菜子と矢野とが、「もし、も~し」とやり合う場面がありますが、これは、ラストのシーンで志津恵が叫ぶ「この町では誰もが言いたいことを押さえ込んで、波風立てずにじっと我慢して生きている・・・」うんぬん、というセリフと矛盾するのではないかと、多少、違和感を感じました。しかし、逆にそういう部分こそが演劇のフレーバーなのだろうとも思います。

実際に上演されるときには、鹿児島弁についてはもう少しつめた指導を期待したいです。(イントネーション、および鹿児島弁特有の言葉の使い方)

ちょっと辛口の感想となってしまいましたが、それだけこの作品に期待していると思っていただければ幸いです。演劇だけでなく、映像作品(映画)となったものも見てみたいと思いました。

以上

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小湊 拓弥さん(20代男性、大学生)】

2011年12月10日、先輩のご配慮によりアヴニールホールで行われたリーディング公演「四畳半の翅音」を鑑賞した。
90分という短い時間でしたが公演中はその演技力の素晴らしさに時がたつのを忘れてしまうほどでした。

ストーリーは「流行病」にかかった男が恋人の元を訪ねるところから始まります。行方の分からなくなる二人。その男を探しにきた姉。
その恋人の住んでいた建物の管理人。そしてちょっと怪しい入居者。その他、個性的な方々。
それぞれに立場があり、その男の行方を探っていきます。果たして男はどこへいったのか!?そして、衝撃のラスト。

私は今回の公演を鑑賞して3つの思いが浮かびました。

まず、声だけでも場面がしっかりと浮かんだ点。
というのも、私は公演の間ほとんど目を閉じて頭の中でその情景を思い浮かべていました。
しかも鹿児島弁!まるで、その場で劇をしているような感じです。

次に、声で感動できた点。
「声フェチ」である私にとってはとても居心地のいい90分でした。
声質だけでなく、抑揚のつけ方。声に喜怒哀楽をつけて話すところ。
どれをとっても素晴らしかったです。

最後に、脚本について。
やはり九州戯曲賞に選ばれただけあってとてもよい内容でした。
物語のラストではドキドキでした。そして、何回も鳥肌が立ちました。

総論、とても面白くぜひとも機会があればまた参加したいと思いました!

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【20代、女性】

今、リーディングみてきました。感想は、正直あんまり、引き込まれるものはありませんでした。

やはり、声だけでお芝居するって、見てる人に想像させることが、大事なんだと思うのですが、私は想像も出来なかったし引き込まれることもなかったです。。シンプルな舞台設定であればあるだけ、演じ手のレベルというか、熱みたいなものがないと、なかなか難しいなと思いました。

評価された戯曲ということで、舞台化のもののほうが、演劇を初めてみられる方などは、分かりやすいかもしれないですね!

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【kzua、20代女性、会社員】

上演後のアフタートークで、この作品が九州戯曲賞大賞を受賞した要因のひとつに「今日的なテーマを持つ作品であること」が語られていましたが、
私の心の中で2011年を振り返り今の世の中と向き合うのに出会えてよかった作品を鑑賞することができました。

今年は、世の中とどう向き合っていけばよいだろう?生活のスタイルは?変えたほうがよいのか、変わらないほうがよいのか、できることは?自分の価値観はこれでいいのか?
など、普段はそこまで考えないことを考えたような気がします。私だけでなくきっと多くの人がそうだったことでしょう。

この作品にもそれぞれ異なる価値観を持つ人物が登場し、舞台にはすでに感染症という問題を抱える地域の空気が流れていました。
問題を抱える地域の空気というのは独特のものがあり、いつのまにかその地域にしかわからない文化を生み出します。
人々の不安を利用しビジネスを立ち上げ活動する者、問題を問題視できず波風立てるのを恐れる者、ルーツを振り返り最も大切なモノにのみまっすぐ突き進む者…。

作者の島田佳代さんは、宮崎の口蹄疫発生時に長年暮らしていらっしゃる地域の空気を感じ取り、この作品を書き始めたそうですが、
パンフレットのメッセージで「対岸の火事だと思っていたものがそうではなくなった時に、人は、自分は何を思い、何をするだろう、と考えたりしながら書きました」
と語っているように、長年住んでいる地域に流れ始めた不安や恐怖、それでも慣れ親しんでいる地域への愛着心などが感じられ、深く感動しました。

突然の出来事で、ある特定の地域が注目されたり疎まれたりすることがありますが、そこに流れる空気はそこに住む人々にしかわからないものだと思います。
でも演劇はそういった空気を想像させてくれる、リアルな時間をつくりあげてくれます。フィクションであったとしても、まるで目の前で実際に出来事が繰り広げられるわけですから
、対岸の火事の感覚ではちょっといられないかもしれません。少なくとも私にはそうでした。

リーディング劇なのでセットもなし、効果音と朗読でストーリーが展開していきましたが、役者さんの熱のこもった演技には引き込まれました。
おそらくかなりの短期間で準備した公演だと思われますが、役者さん皆さんキャストの役割や場面の役割を理解して演じてらっしゃったのが伝わりました。

この演劇の舞台は、「四畳半」という小さいパーソナルな空間で展開されますが、何か問題を抱える地域の出来事というのは本当にパーソナルなストーリーで、
ニュースなどでは伝わらない細かい事情がたくさん隠されているのだと思いました。

あの空気の中では一体自分はどう行動するのだろう?淡々と変わらない毎日を過ごすのだろうか?救済活動に熱中するのだろうか?その地域をさっさと退散するのだろうか?
わからないけれども、公演が終わって時間の経った今もよく考えます。

本格的な上演に向けてこれから準備していくとのことなので、非常に楽しみに、応援しています。
演劇に普段興味のない方も、自分の地域や世の中のニュースにはいつも興味を持っていると思いますので、「演劇」という枠にとらわれず、「自分のまちでこんなことが起こったら?」
なんて視点で観るのも面白いと思います。個人的には演劇は評論するより体験して頂きたいと思っています。ぜひ、観てみてください!!

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【20代、女性、大学生】
胸糸病で隔離された人、区域、、なんだか震災の原発問題にも重なるようで、登場人物の会話の節々でドキリとしました。すべて鹿児島弁で語られていたのですが、祖母や近所のおばさんを思い起こしてしまって…。物語とはいえ他人事とは思えず、すっかり惹き込まれている自分がいました。私はこうした公演にはあまり詳しくないのですけれど、舞台で「観る」演劇とは違って、「聴く」演劇はなんだか新鮮な気持ちで受け止められました。キャストの方はもちろん表情や動きも表現されているのですが、やっぱり「ことば」が一番大きくて。なんだか本を読んでいる感覚に似ているな、と感じたのを覚えています。舞台セットもなく、ただ声や音を聴いて情景を想像して。シンプルだからこそ
想像力を駆き立てられ、自然と脚本の世界に入り込んでいくような気がしました。とっても面白かったです!また、キャストの方はさすがだ上手いなと思いました。特に印象に残ったのは、高校演劇連盟の上田美和さん(水原志津恵役)です!でも声は、劇団XEROの田中ロイジさん(根岸響子役)が好きです^^* そして作者の島田佳代さん。私は親しみやすく穏やかな印象を受けました。こんな雰囲気の人がこの脚本を書いたのだということが、私には少しだけ意外だったかもしれません(良い意味で)。この人の目には世界がどんなふうに映っているのだろうな…と興味をそそられています(笑)

うーん、、だらだらと書いていてすみません。ことばで表すと、きれいでいて、どこかチクリと心に刺さる。そんな脚本だったように思います。(映画「告白」みたいな感じです!…あくまで私個人の感想ですが(^^;))
実はこの「四畳半の翅音」、最初に能瀬さんからお話をいただいたときから「どこかで聞いたような…」と思っていたのですが、なんと以前新聞で読んで気になっていたものでしたー!実際に公演を聴くことが出来て、すごくすごく嬉しかったです☆

ありがとうございました!
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【おまけ】

出演者 田中ロイジさんの公演レポート

エクストリームジャンボリ『「四畳半の翅音」リーディング公演レポート』:http://royzix.chesuto.jp/e727840.html

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