4/7に家族でかごしま近代文学館・メルヘン館に行った歳、年間パスポートを作りました。その際、見つけた2つのイベント「一箱古本市」と「トークショー 素晴らしき哉、古本!」。せっかく年間パス作ったことだし、GWにも関わらず予定ないし(妻には申し訳ないと思っています)、ということで行ってまいりました。
てっきりトークショー10時からだと思ってたのですが出発前に11時からというこに気付き、息子の昼食のことを考えると最後までは聞けんなぁということで、妻から「30分だけなら聞いてよし」の許可を受けました(´・ω・`)ショボーン
メルヘン館に着くとGWにも関わらず(GWだからこそ?)、たくさんの人。一箱古本市にいつもお世話になっている方々がいらしたので息子の顔を見せに行こうと思ったのですが、ロビーに入るなり「メルヘン館に連れていかんかい!」と怒る息子。大声で泣きそうだったのでメルヘン館へ直行することに。
息子を妻に任せ私は一箱古本市へ。
一箱古本市とは「本好きの人々がそれぞれに持ち寄った古本を箱につめて販売する、フリーマーケット形式の古本市」で詳細は以下のとおり。
かごしま近代文学館・メルヘン館ブログより------------------------------------------
【参加費】 1箱につき500円 一人3箱まで出店可能
【出品のルール】
箱のサイズは概ねミカン箱程度(3辺の合計が120cm以内)のものとし、出品するものは基本的に古本ですが、全体の7割程本が入っていれば、本以外の雑貨なども販売していただけます。(飲食物は不可。)
販売する本には、出店者名(屋号・マークなどでも可)、本の題名、価格を記入したスリップまたははがせる値札をつけてください。
【参加資格】
販売は各自の責任で行っていただきますので、当日会場にて店番のできる方(昼食時は、友人や家族と交代して下さい)。
18歳未満の方は保護者同伴のこと。
【その他】
・つり銭は各自でご準備ください。
・搬入は当日の9時からです。10時から販売できるようにご準備ください。
・販売場所についてはこちらで指定させていただきます。
・机、椅子は当館で準備いたします。
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全部で15くらいの出店だったかな。古本屋を生業にする方から本好きの方まで、それぞれに特徴のある店構え&品揃え。どの店にも屋号が付いててそこも見どころの一つです。BOOKS SMILEさんが、文庫に書き出しを記載したカバーを付けて売ってらして(ほんのまくらフェア的な)、買いたいなぁどれにしようかなぁと迷っていたのですが、トークショー後にお店に伺うといらっしゃらず残念(トークショーに出演してらした&私が途中で抜けたから当たり前なのですが)。でもね、最近自分の本増えすぎだからいいんです。読まなきゃいけない本たくさんあるんです。
で、結果息子に絵本を買ってしまうハメに。これも増えすぎなんですけどね。
そして11時からはライブラリーにてトークショー「素晴らしき哉、古本!」。
こちらは鹿児島市内で古本屋を営む小村 勇一さん(つばめ文庫)と山下誠一朗さん(BOOKS SMILE & CDS)の読書遍歴をテーマにしゃべり倒すというもの。不思議なことに2人とも1981年生まれの同級生。
こちらのトークショー開始前から絶対面白い匂いがプンプンしていた。
開催直前お水で乾杯する2人
時間となり司会の方がいきなりおかしなことを。「1時間を予定してますが、終わらない・・・ですよね?できるだけ終わるようにお願いしたいと思います。」
そして、開始早々小村さんが山下さんに怒られる。↓の読書遍歴にそって話が進んで行くのに貰った紙をどっかやっちゃった小村さん。どうやら裏をメモに使ったようで山下さんに「これで話ししていくのに、メモに使っちゃダメでしょ」と優しく説教。小村さんかわいい(私はソッチではけしてありません)。もう、この時点でトークショーの空気ができていました。
ここからは各年代、印象残った部分を箇条書きで。あくまで私のメモを元にした感想のようなものですので、実際とは異なる部分があることをご了承ください。
~6歳
【小村:かいけつゾロリ】
・小村さん「(資料を見ながら)これ"かいけつ"が平仮名だな」と気にして山下さんに「そんなのどうでもいいでしょ」と怒られる
・山下「かいけつゾロリは薩摩川内にはなかった。年下かと思ってたけど結構古いんやな」
・「ゾロが元なのかな?」←え?今さら?
【山下:ちびくろサンボ】
・山下「これトラウマですよ。こんなんこれ以降ないでしょ。」小村「うんうん」山下「だって、これ以来トラがホットケーキになったことないでしょ」小村「あぁ、そういった意味でのトラウマ。」山下「違うわ!」会場「(笑)」
~9歳
【小村:怪人二十面相他】
・山下「(会場に呼びかける形で)マガーク探偵団知ってる人います?・・・川内にはなかったもんな。」
【山下:ズッコケ三人組シリーズ】
~12歳
【小村:ズッコケ三人組シリーズ】
・小村さんがズッコケ三人組のファンクラブのテストを受けたことに対して
山下「すごいよな。だって、ズッコケ4人組になろうとしたわけやろ?」(中略)小村「だって入試があるんだもん」←かわいい
【山下:三毛猫ホームズシリーズ】
・山下さんのお母さんが市内の歯医者に通っていた。電車で行くとき本を1冊買ってもらえた。行き帰りの電車や歯医者での待ち時間に本が読めるから歯医者が好きだった。大人になって自分が治療で行くのは・・・嫌い。
~15歳
【山下:銀河鉄道など】
・当時、同級生の間では「不良=かっこいい」だったが全く分からなかった。自分の中でのかっこいいは「制服の尻ポケットに文庫入れて昼休みに中庭の木陰で読書」だった。
【小村:十津川警部シリーズ】
・山下「同級生の中でもこんなん読んでるの珍しかったんじゃない?」小村「うん、あんまり分かってもらえなかったもんね」山下「俺も全然分からんわ。このころ俺、星空眺めてるからさ」
・山下「僕らの世代は生まれた段階でほとんど全てのジャンルがあった。親の世代とかだったら音楽で言えばビートルズ、本で言えば村上春樹とか新しい感覚と出会えたんだろうけど、僕らの世代は新しい人は出てきても新しい感覚っていうのは出てきにくい
~18歳
【小村:放課後の音符】
・山下「(突然、志向の変わった小村さんに対して)何があった?」
・山下「女性とか恋愛について本で知りたかったってことを認めてくれ」
【山下:バトル・ロワイアルなど】
・山下「川内のすごい田舎。川しかないとこで育った自分からしたら村上龍が羨ましくてたまらない」
・山下「厚いんだけど半分くらい読み終わった時に、読んだらどんどん減ってしまう。読むのが嫌。っていう喜びと苦しみが同居した経験をした初めての本。
小村さんが「今バトル・ロワイアル読んでみようかな」といった話から
・山下「本って出会いだと思うんだよ。自分も本買っておもしろくなかったら置いとくねん。置いてて3年後か5年後の自分に期待する。本は変わらない。僕らが変わっていくだけ」小村「うん。そうだよね。今読んだらバトル・ロワイアルおもしろいかな」山下「いや、やっぱ読まなくていいです。大人になって読む奴あぶないあぶない」会場「(笑)」
ここまでを通して
・小村「こうやってみてみるとおもしろいよね。僕らも打ち合わせしながらこれ書きだしてみて最高潮になってたもん」山下「こうやってみてみるとCD・音楽って記憶だなぁって思うけど。音楽聞いてその頃のこと思い出すってころはあるけど、価値観、思想とか自分を形成してるものは音楽ではなくって本だって思うよね。
ここで35分経過。後ろ髪ひかれつつも退室。メルヘン館に行くと妻が「あと10分くらい大丈夫かも」ということでダッシュで戻る。
~20歳
【山下:寺山修司全般】
・山下「ここに来て僕は高校卒業してやっとあの町から出られるわけですよ。いや、嫌いなわけじゃないんですけどあまりにも文化がなかった。で、大阪でビレッジバンガードに出会うわけ。こんなん薩摩川内にはなかった。」
・山下「寺山修司で思い出したんけど、川内に寺山ってあるわけよ。寺山の向こう側にいつも行きたかった。寺山の向こうに鹿児島も、大阪も、東京もあるわけ。だから多分、寺山って言葉に惹かれた部分もあったんだろうな。こんな話急にして悪いんだけど」小村「打合せになかった」会場「(笑)」
~25歳
【山下:オン・ザ・ロードなど】
・この頃、就職し文学の読書を休憩していた小村に対して山下「僕は中学校と変わらないまま公園の木陰で本読んでましたからねぇ」
とここで、50分経過で能瀬家のタイムオーバー(さりげなく5分超過)。残念ながら退室することに。最後まで聞きたかったなぁ。笑ったっていう意味でも面白かったのですが、生粋の本好きのお2人だけあってとても想いの込められた言葉に触れることができて有意義な時間でした。小村さんがヒッチハイク成功する理由が分かったような気がします。愛されキャラですよね~(しつこいようですがソッチではありません)
読書遍歴書き出し、今度私もやってみます。結構、小村さんと重なる部分があるんですよねぁ。
ということで、大変楽しませていただきました。近々お2人のお店にもお邪魔したいなぁ。ありがとうございました!