チンさん宅に滞在して2日目の朝のこと。
Yくんはチンさんの弟くんとその友人たちとダーカウを、私はチンさんのママ(お母さんではない)とカラオケをしていたときだった(と思う)。
チンさんのお父さんがバイクでやってきて、Yくんに何かを言った。
チンさん「床屋さんに行くぞって言ってます」
ちょうど1年前、上司と一緒にハノイを訪れた際、床屋さんの料金が日本円で100円くらいだったらしく、上司から試しに散髪してくるように言われていたのだった。それを1日目にチンさんに伝えていたところ、ちゃんと覚えていてお父さんに伝えてくれたようだ。
そしてYくんはお父さんのバイクに乗せられていった。チンさんは家に残ったままなので通訳はいない。お父さんには英語も通じない。
そんな状態でどうやって髪を切るんだ。私はYくんがどんなふざけた髪型で帰ってくるかをワクワクしながら待っていた。
しばらくしてお父さんのバイクが帰ってきた。
Yくんはガイルをソフトにしたような髪型になって帰ってきた。期待してたより全然普通でみんなからも「おお、いいじゃない」的なことを言われていたが、Yくんだけが納得いかない表情をずっとしていた。
ここで困ったことが起こった。お父さんがバイクから降りない。そして何か言っている。
チンさん「次は先生行きましょうと言ってます」
いや、私は切ってくるように言われていないし、ソフトなガイルにもされたくない。
それなのに、気づくと私はお父さんのバイクにまたがっていた。
「絶対切った方がおもしろいやん(Yくんそんなにおもしろくなってないけど)」
いまだに1つ後悔していることがある。このとき私のiphoneの充電は切れていた。
カットのビフォア・アフターはもちろん床屋さん含め何も撮影することができなかった。
だから唯一あるのはYくんが撮ってくれた、この写真だけ。
そう、お父さんのバイクに乗った私が連れてこられたのはここ。
ご覧の通り開放感のあるオープンスペースです。基本的にベトナムでは日本のように理容室と美容室の区別はないとのことです。
まず初めに床屋さんとお父さんに写真左の青い看板を指をさされ何かを言われました。
おそらく「どれにする?」って言ってました。どれにする?言われてもどれにもしたくありません。
しかし、言葉で答えるすべを私は持っていません。その時、床屋さんのキマった髪型が目に入りました。ジェームスディーンのようなオールバック。
私はすかさず、床屋さんの頭を指差し「あなたの様にしてくれ」アピールをしました。
すると床屋さんはコームで私の前髪を何度もかきあげながら何か言っています。そしてお父さんもそれに対して何か言っていました。推察するに
床屋さん「こいつの髪は量が多いし、固いから無理だよ」
お父さん「おいおい、うちの大事なお客さんなんだよ。何とかしてくれよ。」
そんなところでしょう。
あきらめた床屋さんはカットに入ります。
サイドと後ろはバリカンで。トップはハサミで。
ひととおりカットが終わると、奥さんにバトンタッチ。シャンプーとマッサージをしてくれました。
元の席に戻り、床屋さんがヘッドライトを付けたので何が始まるのかと思ったら、耳かきのサービスも付いておりました(↑の写真がちょうど耳かきしてるとこですね)。
耳かきが終わると床屋さんがドライヤーを手に取りました。
前から強風を当てられながらコームで前髪を梳かされます(オールバックにしたい一心で)。
そして大量のジェルで髪を後ろに流されます(オールバックにしたい一心で)。
仕上げはスプレーを大量に(そうオー...)。
結果、完成したのはこちら。
ちなみに切る前はこれ(なぜこんなにイキった顔をしているのか)。
ちなみに上の写真、切った10時間くらい後の写真なんです。キープ力半端なくね?こんな高さの髪型見たことなくね?
無事、一昔前の関口メンディーにしてもらいお父さんのバイクでお家に帰る。
到着してすぐチンさんの妹が家から出てきて私の髪を見て吹き出す。
え?これベトナムでは普通じゃないの?
ベトナム人でもおもしろいの?
最強じゃん。
そういえば上司が髪切ってこいと言ったのは本当に100円か確かめてこいということだったのに、お父さんが払ってくださったたため結局いくらだったのかは分からず。ただ、髪型がおもしろくなっただけでした。